ゴルフ場ドローンセンシング「DRONE GREEN KEEPER」

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ドローンとデータで芝管理はここまで進化する

──カヌチャゴルフコースが導入した「DRONE GREEN KEEPER」の全貌

沖縄本島北部に広がるリゾート型コース「カヌチャゴルフコース」では、年間を通じて国内外から多くのゴルファーを迎えています。
私たちが提供するのは、美しい景観と、プレイヤーが最高のパフォーマンスを発揮できるクオリティの高い芝。
その維持管理の裏には、日々繰り返される緻密な作業と、天候や環境に合わせた高度な判断が求められます。

しかし、いま私たちの現場では大きな変化が起きています。
それが**「DRONE GREEN KEEPER」**の導入です。本記事では、導入の背景、取得できるデータ、運用方法、効果、そして今後の展開までを、現場の視点でまとめます。


なぜ導入したのか

目視や経験に依存した点検では、広いコース全体の“兆し”を早期に把握し続けることが難しく、情報の属人化も課題でした。
DRONE GREEN KEEPERは、芝の状態を数値化・可視化し、データに基づく判断を可能にします。

  • 広域を一度に点検:上空から面で把握し、優先度を付けて対処。
  • 早期兆候の検知:目視では見落としがちな変化を数値で抽出。
  • 記録と共有の標準化:クラウドで履歴・所見・指示を一元管理。

何が「見える」のか──4つの主要指標

当コースでは、DJI Mavic 3 Multispectral(M3M)DJI Mavic 3 Thermal(M3T)を組み合わせ、主に次の4指標を取得・活用しています。

  1. NDVI(正規化植生指数) [M3M]
    現在の生育状態・光合成活性の強さを数値化。
    → コース全域の“いまの健康度”を俯瞰し、局所的な劣化を抽出。
  2. NDRE(赤縁植生指数) [M3M]
    初期ストレスの兆候に敏感。
    → 薬剤・栄養・土壌由来の負荷など、将来の不調に備えた早期対応に有効。
  3. 表面温度(Surface Temperature) [M3T]
    地表の温度分布を可視化。
    → 高温域は乾燥・熱だまりや根傷み、低温域は過湿・排水不良・日陰の影響を確認。
  4. 水分含有量(Moisture Index) [M3M, M3T
    植生・土壌の相対的な含水状態を推定。
    → 散水の過不足や水はけの偏りを面で把握し、散水計画に直結。

ポイント:健康(NDVI)・兆し(NDRE)・熱(温度)・水(含水)をセットで見ることで、症状だけでなく原因に近い仮説立てと現地確認がしやすくなります。


複合判断の基本ルール(現場運用)

  • NDVI低下 × 水分は正常 → 散水以外(病害・虫害など)を優先確認。
  • NDRE低下 × NDVIは横ばい → 初期ストレスの段階として注意喚起。
  • 水分が高い × 表面温度が低い → 過湿/排水不良の可能性を点検対象に設定。
  • 薬剤処置後にNDRE異常 → 薬害の可能性を想定し、散布履歴・濃度・タイミングを再確認。

※いずれも現地確認を前提に、指標は“行動の優先順位を決める羅針盤”として使います。


運用フロー(標準手順)

  1. 撮影:M3M/M3Tでコース全域をフライト。※撮影は株式会社白石のドローンチーム『DRONE X OKINAWA』が担当。
  2. 反映:撮影データは翌日にクラウドへ反映。
  3. 可視化:グリーン/フェアウェイ/ラフ/ティーなどエリア単位で色分布と数値を確認。
  4. 記録・計画
    • マップ上にメモ(所見・指示)
    • 優先順位の設定(対処順)
    • 面積計測(処置量の算定補助)
    • 履歴比較(前回・前年同時期との比較)
  5. 共有・実行:アカウント共有でチームが同じ画面を参照し、現地確認→対処を実行。

導入効果

  • 効率化:全域の状態と優先箇所を短時間で特定。巡回の無駄が減少。
  • 早期対応:兆候段階で把握でき、回復までの時間とコストを抑制。
  • 再現性向上:数値と履歴に基づく判断で、属人化を低減。
  • 育成・継承:可視化データにより、判断プロセスを言語化し、若手教育が容易。

コース固有の基準づくり

芝種、日射、風、排水、踏圧――条件はコースごとに異なります。
同じ対処が常に最適とは限らないため、データを継続的に蓄積・比較し、当コースの運用基準を整備しています。

  • 季節変動:特定時期に弱りやすいエリアの把握。
  • 地形・排水:過湿や乾燥傾向の恒常箇所を特定。
  • 対処効果:散水・施肥・薬剤・更新作業の効果を履歴で検証。

体制と提供

  • 沖縄県内:株式会社白石が撮影〜分析まで一括提供。データは翌日クラウドで閲覧可能。
  • 県外提携パイロット制度によりデータ取得に対応。分析・可視化は同様にクラウド提供。

今後の展開

センシング結果を基に、大型散布ドローンによる全面散布/局所散布の導入を計画しています。
必要な場所に、必要な量を、必要なタイミングで実施することで、人的負荷を抑えつつコース品質の安定化と薬剤使用量の適正化を図ります.


まとめ

DRONE GREEN KEEPERは、M3M+M3Tの2機体でNDVI・NDRE・表面温度・水分を取得し、クラウドで完全マッピング・履歴管理・チーム共有を実現します。
私たちはこのデータを“羅針盤”として、現地確認と組み合わせながら、原因に基づいた優先対処・再現性のある運用を進めています。
経験とデータを融合させることで、芝管理はより強く、効率的に。これからも運用を磨き続けます。

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