カヌチャグリーンでは、2023年よりゴルフコース管理班において、ドローンによる芝生解析・管理支援システム『DRONE GREEN KEEPER』を本格導入しました。
導入から約1年。データの蓄積と実地運用を重ねることで、芝のコンディション管理における“見える化”と“予防的対応”が定着し、従来の経験則に頼った管理手法を根本から進化させつつあります。
【1】導入の成果:経験×データによる管理改革
- NDVI(植生指標)による芝の状態監視
ドローンが空撮したマルチスペクトル画像を解析することで、芝生の健康状態を数値と色で視覚化。これにより、病害や乾燥などの“兆候”を早期に察知・対応できるようになりました。 - 状態別色分けと優先順位付け
「緑:健康」「オレンジ:軽度ストレス」「赤:クリティカル」の表示に加え、傷みが激しいエリアから優先的に対策できるリスト化機能も活用しています。 - 記録と検証の文化の定着
問題箇所の詳細記録、時系列比較、散布後のNDVI回復データなどを通じ、施策の効果を定量的に検証可能に。新人キーパーでも確実に技術を習得できる環境が整いつつあります。
【2】具体的な改善事例と成果
- コアリング作業後のNDVI急落(73→57)
→ 液肥(アミノ酸系)による対応でNDVI70まで回復。藻類(青コケ)発生に対しては藻類処理剤を散布し、1か月でクリティカル状態ゼロに改善。 - 降雨不足による乾燥エリアの早期発見
→ フェアウェイ散水を週1回に増加。タンク車によるピンポイント散水も併用し、コンディション維持に成功。 - 漏水の特定と対応
→ ドローンデータにより、6月24日から7月7日の間に地下漏水が疑われる箇所を特定。施設管理にも応用可能な成果を得ました。
【3】日常運用とチーム体制
- フライトは月2回(第2日曜・第4週)実施
- 状況によって薬剤や液肥の頻度を調整(週1回ペースも)
- 問題箇所はグループLINEで即時共有
- ドローンデータは現場PCで確認・活用
“毎日飛ばす必要はないが、毎日見る価値がある”——それが現場の実感です。
【4】技術導入と今後の展望
- 新型自動芝刈り機のデモ計画(2025年8月)
傾斜地対応型の全自動芝刈り機による省力化を検証中。安全対策の改造も含め、導入準備を進めています。 - 刈りカス分解剤・酵素剤の活用
排水性の改善、藻類抑制、芝目維持といった総合的な土壌改善に取り組んでいます。 - 成長抑制剤による刈込頻度低減と芝質向上
特にグリーンの芝目形成に大きな効果があり、機械負荷の軽減にも寄与しています。
【5】営業展開と課題認識
2025年7月の福岡・鹿児島会議では、九州エリアでの営業展開に向けた方向性も議論されました。
- グリーンキーパー vs オーナー、どちらへ提案すべきか
- 委託管理体制における予算の意思決定構造の理解
- サービス頻度と価格構造のバランス(3か月に1回 vs 月2回)
- データを“管理ツール”として使う文化の醸成
いずれも重要な論点であり、営業戦略においては「技術」だけでなく「組織の理解」を得ることが成功の鍵といえます。
【6】最後に
『DRONE GREEN KEEPER』の導入によって、カヌチャグリーンのコース管理は新たな次元へと進化しています。
「経験×技術×データ」の三位一体で、これからもより精度の高い芝管理を実現し、持続可能な美しいコースを未来へつないでまいります。

